4〜6世紀の初期キリスト教の注水礼に使用されたテラコッタ製の水指です。
西ローマ帝国、フランス周辺のものだと思われます。
51.72g、85mm
最初期の洗礼は全身を浸からせることが主流でしたが、「ディダケ」の記述より2世紀から頭に水をかけるだけの注水礼が始まったことが記録されています。
その後4世紀初頭のコンスタンティヌスによる公認後、幼児洗礼や利便性などから注水礼が一般に普及していきました。
造りとして面白いのは、カトリック神殿(おそらくオドアケル侵攻後に破却されてしまっているので特定が難しいです)の中央部より入ってきた水が開口部より注がれることで、まるで加護と祝福を受けた浸水を擬似的にしているかのような設計になっています。
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