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こちらは、シュメール文明（初期メソポタミア文明）の『円筒印章』です。

円筒印章は、粘土板の上で転がして押し当てることで、連続した模様や場面を印影として残します。書記、王族、神官、富裕層などが身分証・契約・所有の証明として使用していました。

【概要】
神・太陽と現世の関係を表す宗教的モチーフが刻まれた、美術的価値の高い一点です。
① シュメール文明に特徴的な横顔のモチーフ
② 羽を広げた鳥を模した神
③ 太陽らしき円文様

この構図は、古代シュメールの石碑や壁画でしばしば見られる構成であり、当時の神格表現の様式を色濃く感じさせます。

シュメール文明では、太陽は「宇宙の秩序・循環」の象徴、翼と鳥は「神性」と結びつけられています。それぞれの存在が象徴的に配置され、『神話的世界の再現』とも言える構成です。

【詳細】
時代：シュメール文明
材質：ストーン
重量：52グラム

【状態】
非常に古い遺物のため、表面には変色や摩耗、経年によるイタミが見られますが、彫刻の主題は確認可能です。現存するシュメール印章としては比較的保存状態の良い部類です。

【特徴】
太陽と神と現世との関係が、帯状の構図で繋がれており、宗教的儀礼や宇宙観を伝える意匠と解釈されます。 とくに誇張された横顔の造形には、シュメールの壁画的威厳が宿り、見つめていると吸い込まれるような存在感があります。 手に取ったとき、表面のざらつきと重量感から、太古の祈りの残響が手のひらに伝わるようでした。

※本説明文は、英語文献や複数の海外考古学関連資料を参考にしつつ、当方が直接行った聞き取り調査や独自の見解をもとに記載しております。また、掲載写真についても、その資料的・美術的性質が最も適切に伝わるよう、構成・撮影意図を工夫しております。 記載内容および画像はすべて当方の創作物であり、著作権は出品者本人に帰属します。無断での転載、引用、内容の模倣は固くお断りいたします。